公開日:|更新日:
インバウンド需要が高まる今、注目の土地活用の一つがホテル投資です。
ホテル投資には、いくつか種類があり、少ない投資額でスタートできるものやハイリターンを見込めるものまであります。それぞれメリット・デメリットがあり、投資家の嗜好によっても適した投資スタイルが異なる点も特徴です。
紹介している代表的な4つのホテル投資を踏まえて、メリット・デメリットもチェックしてみましょう。
いま注目のホテル投資
『コンパクトホテル投資』に
ついて詳しく見る
ホテルリートとは、ホテルや旅館に絞って投資を行う不動産投資信託の一つをいいます。投資家から集めた資金でホテルを購入し、賃料収入から費用を差し引いた利益を投資家たちに分配金として還元するスキームです。
ホテル運営は、賃借人もしくは運営受託業者が行っているのも特徴です。ホテルリートを扱う投資法人の中には名の知れる企業もあり、分配金のほかに投資主優待を提供している企業などもあります。株と同様に収益性に加えて自分の好みの企業を投資先として決定する人もいます。
自らマンション建設する場合と異なり、投資額も比較的低価格からスタートできることも魅力です。
ホテルコンドとは、所有するホテルの一室を利用した投資方法です。
リゾート地にホテルを購入し、所有者が使用しない期間のみ貸し出すというスタイルです。建物管理や運営はホテル運営会社によって行っているのも特徴です。別荘を所有したいと考える人にとっては、賃貸収入によって利益を生むことも可能なホテルコンドは魅力的な投資といえるでしょう。
また、投資マンションなどと異なり1日単位で宿泊者に貸すことができ、尚且つ集客やハウスキーピングもホテル運営会社に任せられるのでリスクや負担が少なく初心者にもおすすめのホテル投資です。投資家のライフスタイルの上に成り立ち、収益重視の投資とはひと味違うことも特徴です。
ホテル買収は、その名の通り収益性の見込める既存のホテルを買収することで、オーナーとしての利益を得る投資方法です。
よく耳にする「M&A」をイメージしてもらうとわかりやすいでしょう。「M&A」は、2つ以上の企業が合併・買収することで1つに統合するということですが、近年注目のホテル業界の買収は、企業・個人に拘らず増加傾向にあります。
ホテル買収のメリットは、旅館業許可取得済みのホテルを購入するため、運営開始までスムーズに運べる点です。しかし、買収前の運営会社が引き続きホテル運営を担う場合と他の運営会社を探さないといけない場合とあるようです。また、ホテルをリニューアルすることは経験者にとっても簡単ではなく、初心者投資家にとっては少しハードルの高い投資かもしれません。買収にあたっては、プロのサポートも検討すべきでしょう。
土地活用によるホテル投資には、大きく分けて2つの種類があります。1つは、土地を購入もしくは所有する土地に自らホテル建設を行い、建物を一棟貸しすることで賃貸収入を得ることです。2つ目は、土地自体を借地としてホテルチェーンなどに貸して収入を得ることです。
前者の場合、ホテル建設費用を負担する必要があり初期費用は高額に及びますが、得られる収益も大きいといえるでしょう。反対に後者の場合は、初期費用はほとんどかかりませんが土地の賃借代だけなので大きな収益につながらないこともあります。どちらも安定的に収益を生むことができる点がメリットといえますが、契約内容が異なる点には注意が必要です。
投資の際は、土地もホテル建設に適した土地であることが重要なポイント。土地活用を検討している人にとっては、選択肢の一つとしてもおすすめのホテル投資です。
ホテル投資が注目される理由でもあるインバウンド需要。訪日外国人が増加傾向にある現代では、観光と並んで宿泊先であるホテルの需要も高まっています。
多くの企業がホテル事業へ乗り出すなか、ホテルのかたちも様々に変化しています。以前に比べホテル投資での土地活用事例が豊富となり、コンパクトホテルのような規模の小さいホテルから事業を始められるケースがあることもメリットでしょう。
また、観光地として人気の高いエリアでは、日本人観光客のほか外国人観光客を迎え入れることもできるので安定した経営が見込める可能性が高いでしょう。
ホテル投資のメリットは、長期的な収益を得ることができる点も挙げられます。特に土地活用によるホテル投資は、初期費用がかかりますが長期にわたり安定的な賃貸収入が見込めるといえるでしょう。
ホテル投資を提案するコンサルティング企業などの多くは、建物一棟を借上げ契約に基づき毎月賃料を支払うというスタイルです。そのため、建物所有者はホテル運営の負担を担うことなく始められる点も魅力です。
ホテル運営が順調であれば、基本的にマンション所有に比べても収益性が高く、空室率に左右されないという部分で長期的に安定した投資方法といえます。
土地所有者にとってネックとなるのが税金です。
毎年かかる固定資産税は、更地の場合と建付地の場合では同じ土地でも異なり、建付地の場合は課税標準額の軽減特例措置の適用が可能となります。土地活用によるホテル投資が節税対策の一つの方法だということは、多くの人にも認知されつつあるメリットです。
また、ホテル建設費用やエレベーター設備などは減価償却費として、定期的な修繕費も経費として計上することができます。計画的な事業計画・建物修繕で税金を上手にコントロールしましょう。
ホテル投資のデメリットは、初期費用が高額な点です。これは、ホテルリート以外のホテル投資でいえることでしょう。ホテルコンドの場合は物件購入費用、ホテル買収の場合は買収費用、土地活用によるホテル投資の場合は、ホテル建設費用が必要となります。
ホテルは一般の物件に比べ建物価格自体が高額の場合が多いことも特徴です。そのため、多くの場合は金融機関から借入をします。毎月の借入金返済は利益にも長期間影響するものなので、収入と費用のバランスを見据え、借入額の設定を検討することが望ましいでしょう。
ホテル投資は、マンションやアパートと異なり、売却が難しい点がデメリットといえます。
ホテルは建物自体が特殊であり、ホテルとして機能するために造られています。そのため、経営が上手くいかなかったからといっても、簡単に用途変更できるものではありません。単に収益物件を保有したいという人にとっては、扱いづらくなる可能性が考えられることも覚えておきましょう。
経営難にならないためにも、コンサルティングを依頼する企業や運営会社等しっかりと見極めてスタートすることが必要です。
駅から近い土地であることは、重要なポイントです。
ホテル利用者の多くは遠方から来訪しており、土地勘のない人もいます。また、ホテルから電車で訪問先や観光地へ移動することも考えられます。駅近という立地は、公共交通機関利用者にとっても利便性が高く、ホテル用地にも適しているといえます。
ホテル利用客の滞在理由は様々ですが、コンビニからホテルまでの距離も着目点です。特に出張での宿泊の場合は、仕事で夜遅くホテルに戻ることもあり、自室で簡単な食事をとる人も少なくはありません。
また、女性であればストッキングや靴擦れ用の絆創膏などが急に必要となるケースもあり、24時間営業のコンビニがあるとより収益性アップを見込めるでしょう。
ホテル利用者にとっての利便性は、ホテル投資にも影響するポイントです。
ホテル投資の運用方法は、いくつかのパターンがあります。
運営参加型の「自分で運営する方法」「フランチャイズ」、運営不参加型の「サブリース」「定期借地契約」があります。ホテル事業に興味のある人にとっては、運営参加型は魅力的なホテル投資でしょう。
反対に、初心者や本職を別に持つ人などは、運営不参加型のホテル投資の方が経済的負担や労力が少ないため適しているかもしれません。
ホテル投資といっても様々な運用方法があるので、自分に合った運用方法を検討することも重要でしょう。
これまで、ホテルは土地建物の所有者と運営者、経営者の3つを同じ事業者が行っていました。次第に時代の流れとともに、3者は分かれてきています。
ホテル事業に対する投資の形態としても、ホテル運営に対する投資とホテル経営に対する投資があります。
ここではホテル運営と経営の違いについて、それぞれ解説していきます。
ホテル経営の形態は1つではなく、ホテル所有者の経営や運営に対する関わり方の違いによって複数の形態が存在します。ここからは、主に2種類のホテル経営の形態について紹介します。
単独型経営は、ホテル運営の原則的な形態。ホテルの所有者と運営者、経営者の3者の主体が一致しているものを指します。昔から堅実に経営しているホテルは、単独型経営の形態を取っている場合が多いようです。また、地方の温泉旅館やリゾート地のペンション、民宿などもこのような単独型経営を行っている傾向があります。
単独型経営の特徴として、経営に関する意思決定が速い側面があります。運営方針の変化や設備投資、増改築の際もそれほど時間をかけずに迅速に手続きを進められます。
さらに、単独型経営は金融機関からの社会的信用度が高いことも特徴です。そのため、比較的融資を受けやすく事業を拡大しやすいメリットがあると言えるでしょう。
その一方で、単独型経営は経営と運営が一体化しているため、運営に対する不信が、ダイレクトにホテル経営に響くデメリットがあります。事業体としての体力を維持することが難しく、資金ショートが起きれば、経営を継続できなくなることもあるでしょう。
ホテル経営のもう1つの形態は、「チェーン型経営」です。これは、ホテルの所有者と運営者がそれぞれ別であり、運営者が所有者から建物を賃貸してホテル経営に携わります。ホテル経営によって得られた利益は所有者ではなくホテル運営者のものとなり、所有と経営が明確に分離されているのが最大の特報と言えるでしょう。
チェーン型経営を行う場合、ホテル所有者の収益は賃借人であるホテル運営者から支払われる賃料のみとなります。
チェーン型経営のメリットは、所有者側からすればホテル経営に関わらずとも安定した賃料収益を得られる点です。ホテル運営者のメリットとしては、不動産を購入する多額の資本がなくともホテル経営して参画できる点にあります。
ホテル運営においては、ホテルの所有者と経営者、運営者の3者が関わりを持ちます。この3者の役割に応じて、具体的には3つのホテル運営の形態があります。
以下、代表的なホテル運営の形態について解説します。
代表的なホテル運営の形態は、以下の3つがあげられます。
それぞれの内容を具体的に解説します。
所有直営方式とは、ホテルの所有者自身がホテルの経営と運営を行う方式です。この所有直営方式は金融機関から融資を受けやすく、社会的信頼度が高い特徴があると言われています。
その一方でホテル所有者の中には経営経験が乏しい方もおり、一定の経営ノウハウがなければ長期的に継続するのは難しい側面も有しています。
リース方式は、ホテルの運営会社が所有者からホテルを借りて経営を行う形態です。運営会社は所有者に毎月のリース料金を支払います。
所有者側はホテル経営に関わらずリース料を得ることが可能です。ホテル運営者側も、大きな初期投資をせずにホテル運営に参画できることから、効率的に事業を進められます。
マネジメント・コントラクト方式とは、ホテルの所有者と経営者が一体となりホテル運営会社を設立します。経営や運営はホテル運営会社が全て行い、ホテル所有者はホテルの売り上げから収入を得ることになります。
マネジメント・コントラクト方式の中には、さらに下記の3つの形態があります。
以下それぞれ解説します。
フランチャイズ方式とは、ホテルの所有者がホテルチェーンに加入して、加盟料やロイヤリティを支払いながらホテル経営を行う方式です。ホテルチェーンが持つブランド力や経営ノウハウを利用することができます。
リファーラル方式とは、同じ規模や形態のホテルが同じグループを作り、1つのブランドとしてホテル運営を行う方式です。運営ノウハウやシステムを共有することで、効率的にホテル経営を実現できるスタイルと言えます。
アフィリエイト方式は、ホテルの所有者と運営者、経営者が同一である所有直営方式ホテル同士が共同し、キャンペーンや販促を行うスタイルです。それぞれのブランドを維持したまま大きく集客できることから、互いにメリットが大きいといった特徴があります。
今回は代表的な3つのホテル投資形態について紹介しました。ホテル投資は今後急速に市場拡大が見込まれる成長分野です。ホテル投資に興味がある方、土地活用を考えている方は、ホテル投資に参入してみてはいかがでしょうか。
ホテル投資は初心者の方にも人気の土地活用方法です。しかし、なかには失敗してしまう方もいらっしゃいます。初期投資が多いがゆえに、失敗した時の損失も大きくなってしまうのがホテル投資です。そうなれば目も当てられないような状態になってしまうかもしれません。
人気のある土地活用方法であるがゆえに、リスクとその回避方法を深く理解しておく必要があります。リスクを知り、回避するポイントを確認しておけば、ホテル投資の成功率は大きく上がるでしょう。
ホテル投資を行う上で利回りは非常に大切な数値です。利回りには、表面利回りと実質利回りがあります。特に実質利回りは、その投資物件の現状を測る上で必要な数値を把握して、投資物件の損得を見極めましょう。
ホテル投資では様々な経費が発生します。経費計上後に確定申告をすることで、その一部が還付されるなど節税にも繋がります。経費計上できる項目は多岐に及んでいるので、どのような項目が計上出来るのか把握することが大切です。
どちらも宿泊料金によって収益を上げる投資法ですが、ホテルと民泊では様々な違いがあります。法律や制度の違い、投資法の種類やメリット・デメリットについて、ホテル投資と民泊投資それぞれの視点から解説していきます。