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せっかく土地を持っているにも拘わらず、活用の仕方が分からずに日々の管理や固定資産税などに悩まされている方も多いのではないでしょうか。
実際には土地の活用方法はいくつもあり、適切な方法を取り入れることができれば一定以上の利益を得ることも可能となります。
ここからは、具体的な土地活用の方法を、目的別に分けてそれぞれ紹介していきます。
土地を所有している方の多くは、ご自身の土地を有効活用して一定の収益を得たいと感じていることでしょう。
土地を収益化するためには、収益化するノウハウを身につける必要があります。ここからは、収益を目的として土地活用方法を具体的に紹介します。
収益を目的とした土地活用方法として、アパートやマンション投資があります。自ら所有している土地にアパートやマンションを建設し、第三者に賃貸して賃料を得る活用方法です。
建設したアパートやマンションに賃借人が確保できれば、安定的な収益を長期的に得ることができます。
しかし、思うように賃借人が確保できなければ収益を得ることはできず、アパートを建設した借金が残ることになるので注意が必要です。
アパートやマンション投資をするのであれば、自分が所有している土地があるエリアに十分な需要があるのかリサーチを行うことが重要となります。
地元の不動産会社などに声をかけて、相談してみると良いでしょう。
土地を収益化する方法として、ホテル投資も有効な手段の1つと言えます。確かに自らホテルを建設する場合には莫大な予算が必要になりますが、自らの土地をホテルチェーンなどに賃貸して収入を得る手段もあります。
インバウンドが増えるにつれ、国内のホテル需要は年々増加傾向にありましたが、新型コロナの影響を受けて、国内消費に目が向いています。また、コンパクトホテルのニーズも高く、比較的初期費用を抑えることができるのでおすすめです。
ホテル建設する場所をしっかりとリサーチして場所のニーズにあったホテルを建築すれば、安定した収益を確保できるようになるでしょう。
ホテル投資のデメリットは、一旦ホテルを建築してしまうと、その後ホテル以外の転用が困難となる点です。
仮にホテル経営が上手くいかなかった場合には、大きな負債となる可能性があるのです。
しかし、コンテナホテルであれば移動も可能。ホテル投資の新たな方法として注目されています。
ホテル投資をするのであれば、ホテル投資の実績のある仲介業者などに相談して、互いに提携しながら進めることをおすすめします。
コンビニやガソリンスタンド、スーパーなど、土地に何らかの店舗を建設して経営する投資方法もあります。
店舗経営が軌道に乗れば大きな収益を得ることもできることから、ビジネスや経営に興味があるのであれば店舗を経営してみても良いでしょう。
当然ながら店舗経営する際には、その地域でどのようなビジネスがニーズがあるのか、綿密にリサーチすることが大切です。
ビジネスセンスも必要になるため、経営に関する知識を身につけるなど日々学習することが求められます。
日当たりの良い広大な土地を持っているのであれば、太陽光発電を行うことも有効です。太陽光パネルを設置して発電した電力を電力会社に販売すれば、一定の収益を得ることができるでしょう。
太陽光発電は店舗経営やアパート経営などど異なり特別なノウハウなど必要なく、設備を整えれば誰でも始めることができます。
一度設置すればその後は管理会社に任せ、自身の手はほとんどかからないため、効率的に土地を活用できるメリットもあげられます。
しかし、太陽光発電は天候に左右されることから、梅雨の時期など天候が悪ければ収益を確保することはできません。
さらに、広大な土地が必要なこと、太陽光発電を行うために必要な設備を準備する必要があることから、初期投資が大きくなるデメリットがあります。
自宅に収納スペースがない方に人気があるトランクルームは、手軽に土地活用を始めたい方におすすめの方法の1つです。
コンテナを購入して土地に設置し、利用者から支払ってもらう月額利用料金が土地所有者の収益となります。一度設置すると特にメンテナンスの必要もなく、比較的管理しやすい点がトランクルームの魅力と言えます。
トランクルームを始め際には、いかに利用者を集客できるかという点が大切なポイントになります。借り手がつかなければ収益は発生しないことから、周辺のリサーチや宣伝などにはある程度時間をかける必要があるでしょう。
土地活用においては一時的な収益を得ることも大切ですが、可能であれば長期的に安定した収益を得たいものです。
立地やニーズにあった用途などを十分に満たせば、安定的に利益を得ることが可能な土地活用方法はいくつか存在します。
ここでは、安定的に利益を得るために有効な土地活用方法を4つ紹介します。
駐車場経営は、人気の高い土地活用方法の1つにあげられます。
駐車場経営には、月極駐車場として貸し出して毎月の賃料を収益として得る方法と、コインパーキングとして運営する方法があります。
駐車場経営を始める際には、土地の整備など一定の初期費用が発生。上記のうちいずれの方法が適しているのか、地域のニーズをしっかりとリサーチしてから決める必要があるでしょう。
アパート投資やマンション投資も、安定的に収益を確保できる土地活用手段です。自らの土地に建てたマンションやアパートに借主が入れば、毎月家賃収入を得ることができます。
しかし、アパートやマンションを建設するための初期費用が高くなることから、アパート・マンション投資を始めるのであれば投資費用を用意できるかがポイントになります。銀行からの融資が受けられるかどうかが、1つの判断基準です。
アパート・マンション投資のデメリットとしては、入居者が集まらず空室が多ければ十分な収入を得ることができない点です。
管理や定期的なメンテナンス、修繕なども必要なことから、これらの側面を見越した上で、十分な計画を立てて進めることが重要です。
住宅街や生活エリアに土地を有しているのであれば、コインランドリーの経営も有効な投資方法です。
コインランドリーはリピーターがつきやすく、エリア選定さえ間違わなければ、安定した収入を得ることも可能です。
比較的管理が容易であることから、初心者でも手がけやすいおすすめの投資方法です。
コインランドリーのデメリットとしては、初期投資が高額になる点です。一定数の設備を用意する必要があるため、予算を考慮しながら機器を購入する必要があるでしょう。
今後高齢者がますます増えていくことを見越して、土地活用として老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の建設や運営する方法があります。
人気のあるサービス付き高齢者向け住宅などは、入居するまで順番待ちになることもあります。うまく運営すれば、安定的な高収益を見込めるでしょう。
一方で老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は、莫大な初期費用が必要になります。スタッフを雇い経営する必要がありますが、経営面に不安があれば施設運営を専門の業者に委託して、手数料を取得することも可能です。
土地の上にすでに空き家がある場合には、空き家を取り壊すのではなく有効活用して収益を得る方法もあります。
ここでは、空き家を利用した土地活用方法を2つ紹介します。
空き家を利用した代表的な土地活用方法として、民泊やシェアハウスの経営があげられます。
比較的安価な価格設定が売りのため、以前は旅行者向けでしたが、インターネット環境を整えることでリモートワークの仮拠点とした利用客を呼び込むこともできるでしょう。
一方で民宿やシェアハウスは、立地を間違えると集客が困難になるため事前に十分なリサーチが必要です。
宿泊客や利用客を受け入れることになるため、日々の経営や部屋の掃除、メンテナンスも必要になります。
空き家を利用した土地活用の1つに、戸建て住宅を賃貸する方法があります。
戸建てに住みたいと思っている方は一定数いることから、立地や住宅の広さなどによっては高収益が期待できます。
マンション投資やアパート投資ほど高額な初期投資が不要な点も、戸建て住宅投資のメリットです。
集客のための宣伝活動は必要ですが、1世帯に貸し出せば良いことから、マンションやアパートと比較すると借り手を見つけやすい特徴があります。
土地の上に設備や建物を設置して運用するのではなく、土地そのものを使って収益を得る方法があります。
複雑なノウハウや経営手腕など必要がないことから、比較的取り組みやすい活用方法と言えるでしょう。
ここでは、土地そのものを使用した活用方法を紹介します。
土地活用が面倒な方や遠方に住んでいて管理が困難な方であれば、土地の売却や貸し出しがおすすめです。
土地売却がうまくいけば、ある程度まとまった金額を得ることができます。管理費用や固定資産税などの負担から逃れたい方にとっておすすめの活用方法と言えるでしょう。
土地の売却や貸し出しを成功させるためには、優良な不動産会社と媒介契約を交わすことが重要なポイントになります。
地域の事情に詳しく経験がある業者を選定し、連絡を取り合いながら手続きを進めるよう心がけましょう。
事業用として土地を貸し出す権利「事業用定期借地権」。契約には公正証書を作成する必要がありますが、居住用の借地料に比べ地代を高く設定でき、長期で貸し出す場合はリスクを負うことなく安定した収入を得られる、といったメリットがあります。
初期投資額を重視した土地活用は多くありますが、その中でも駐車場経営・賃貸戸建経営・太陽光発電などの方法を紹介していきます。
駐車場経営は建物がメインの土地活用ではないため、初期投資額を抑えての運用が可能です。駐車場経営には、大きく分けて月極駐車場とコインパーキングがあります。
といっても、どちらかに決める必要はありません。立地に求められる需要によって同じ敷地内で月極とコインパーキングの振り分けもできます。
どちらにせよ、オーナーの負担は舗装費用のみ、実際の管理は不動産会社が行うというケースが多くなっています。そのため、手間がかからない土地活用とされているのです。
賃貸戸建経営も初期費用を比較的抑えた土地活用方法です。というのも、アパートやマンションと比べて建物の規模は小さくなるからです。
もちろん住宅ローンを活用するケースも多いでしょうが、建物の規模が小さいためローンの返済負担も少なくなります。また、戸建ての場合はファミリー層が主な利用者となるため、駐車場があれば駅から多少離れていても十分集客が可能です。
このようなことから、初期費用を抑えつつ立地に左右されにくい安定した賃貸経営ができます。
太陽光発電は、化石燃料に頼らない新しい発電システムとして近年需要が伸びています。
賃貸戸建経営と同じく、アパートやマンションと比べて比較的少ない初期費用での運用ができます。初期費用の一例としては、50kwで1,700万円ほど。さらに、国による固定価格買取制度(FIT)のため、安心した収益性も期待できます。固定価格買取制度で太陽光発電投資を行うと、20年先まで同じ価格での電気料金となります。
これは20年先までの収入シュミレーションもしやすくなるといえるでしょう。そのため、多くの初期投資を必要とせず、金融機関からの融資も受けやすいメリットもあります。
初期投資学を重視した土地活用のほかに、節税対策を重視した選び方もあります。
ここでは節税対策を重視した選び方として、賃貸戸建経営・賃貸マンション経営・賃貸アパート経営を紹介します。
初期費用がマンション・アパートと比較して少ないだけではなく、節税の効果も期待できます。
例えば、土地だけを所有している場合の固定資産税と都市計画税は、賃貸住宅の建設をした場合と比較して多く納税しなくてはいけません。
賃貸住宅を建設すれば、200平米以内の土地の固定資産税は1/6、都市計画税は1/3になります。200平方メートルを超えた部分については固定資産税1/3、都市計画税2/3。さらに、減価売却費を含めれば所得税や住民税の納税額も少なくなります。
また、相続税対策においても有効です。不動産を所持し、さらに賃貸としている場合は「相続税評価額」が大きく変わります。賃貸としていない場合と比較して1/3程度の減額となり、大きな節税効果が期待できるでしょう。
賃貸マンション経営の節税効果として期待できるものとしては、相続税評価額による減税です。これは、一般的に戸建てやアパートと比較して借入金の多さによるもの。マイナスの資産である借入金が多いと、その残債は資産の評価額を下げることになります。
また、アパートほどの節税ではありませんがRCマンションの場合、減価売却費も47年計上が可能です。ちなみに木賃貸戸建の減価売却期間は20年ほど。そのため、1年間で計上できる額は少なくなってしまいますが、これも大きな節税効果になるといえるでしょう。
賃貸アパート経営の場合も、「賃貸戸建て経営」や「賃貸マンション経営」と大枠の考え方は変わりません。減価償却も20年ほどです。そのためマンションよりも1年間に計上できる減価売却額は大きくなります。
ただ、アパート経営やマンション経営は当然戸建てよりも投資対象になる部屋数は多くなります。そのため、節税だけを重視するのではなく、全体の収益性とのバランスを考慮しなくてはいけません。このバランスこそが大きな節税効果を活かすことにもなるでしょう。
住宅や施設の建築などの土地開発が制限されている市街化調整区域。既存の家がある場合も、増築やリノベーション、建て替えをする際には許可が必要になります。細かい制限のある市街化調整区域内では、建物を建てずに土地活用を行う方法がおすすめです。
土地活用を成功へ導くにはどんな活用方法があるかに加えて、失敗を避けるポイントを確認しておかなくてはいけません。こちらでは土地活用全般に共通するポイントを紹介していきます。
実地調査は最も重要で、ここで失敗をするとせっかくの土地をベストな形で運用するのは難しくなってしまいます。意識しなくてはならないのは、「利用する立場で考えること」です。運用予定の土地へ足を運び利用者の目線で周りを確認してみましょう。
たとえば、騒音事情や周辺で同サービスを展開する競合調査です。丁寧に確認をしていけば、おのずと取り組むべき土地活用の方法も見えてきます。
もちろん、初期投資額や収益性など、ご自身の希望を考慮して委託企業からの見積もりを取るようにしましょう。
土地活用の方法を決定したら、初期投資額や長期的な収益性も検討しなくてはいけません。
例えば、賃貸アパートの建設と一口にいっても初期投資額の幅は広くなります。建物のグレードやセキュリティ面を重視すれば、それだけ建築費も高くなるでしょう。
その一方で、グレードやセキュリティ面に優れた建物であれば、家賃水準は長期的に高く設定できます。この辺りのバランスは、利回りを計算しておきましょう。
また、意外と費用がかかるのが長期的な修繕コストです。前提として、建物は時間が経てば必ず劣化するもの。そのため、ある程度は初期費用を抑えながらも長持ちしやすい、メンテナンス費用が安いような素材を選ぶのも一つの方法です。
土地活用を行うにあたって、リスクの理解もしておかなくてはいけません。事前にわかるリスクであれば最小限に止められますが、事故や災害のような予測ができないこともあります。
予測ができないものに対して必要以上に不安を感じる必要はありませんが、決して楽観視はしないようにしておきましょう。日頃から意識を向けておけば、いざ有事の際に素早い切り替えができるものです。
いざ土地活用開始したものの、思っていたようなニーズがなかったというケースもあります。実際の利回りと比較して思わしくないような結果になるようであれば、思い切って運用方法を変えてしまうという方法もあります。
周辺の開発が進む予定があり、ニーズが増えて利益が見込めるのであれば長い目で見続けていくのもいいでしょう。しかし、周辺の開発が予定されているわけでもなく、今後ニーズが増える要素がないのであれば、早めに手を打たないとリスクは拡大してしまいます。
どのような土地活用であっても、必ず人間の手を入れなくてはなりません。例えば、清掃や定期的なメンテナンスなどは長く利益を生むにあたって不可欠です。
そこで考えなくてはならないのは管理の方法ですが、大きく分けて2つの方法があります。ひとつは自分で管理をする方法、もうひとつは専門の業者や会社に任せる方法です。
ご自身で管理をすれば当然経費は削減できますが、やはり時間の圧迫や手間が発生してしまいます。となれば、ある程度の規模で最も良い状態を常に保つというのも難しいものです。
もし、ご自身が考える理想的な管理が及ばず利用者が不満を抱く要素があるのであれば、プロに任せるほうがベターかもしれません。もちろんプロに委託する場合であっても、数十年先を見据えた計画や体制・アフターフォローなどが万全なパートナーを選びましょう。