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世界的な新型コロナウイルスのパンデミックで、ホテルの非接触化・コンタクトレス化が急務となっています。
非接触化を実現するソリューションの導入は、今やwithコロナ・ポストコロナの競争力に欠かせない、ホテル投資においても注目すべき分野です。
このページでは、ホテルサービスにおける非接触化のトレンド情報をお伝えしていきます。
これまでホテルのチェックイン手続きは、ホテルスタッフが介在するのが通例でしたが、必ずしも必要ではなくなりました。むしろポストコロナにおいては、非接触でのチェックインが重宝される傾向にあります。
宿泊客それぞれの状況やニーズに応じられるよう、チェックインの方法を複数用意するホテルが増えてきました。
宿泊客に良い印象を持たれるのは、手早く簡単で分かりやすいチェックインシステムです。 ホテルに到着してからのチェックイン作業が煩雑だと、長時間の移動で疲れているゲストにかえってストレスを与えてしまいかねません。
「フロントデスクで受け付けたほうが早い」と思われてしまっては、結局人の手でチェックインすることになりコンタクトレス化を妨げてしまうでしょう。
デバイスを選ばず、はじめて使う人であっても分かりやすいチェックインシステムを採用すべきです。
非接触化が進むと宿泊客とのコンタクトがほとんどなくなるので、主にチェックイン・チェックアウト時に利用するホテルロビーも不要なのではないか、という声も聞かれます。たしかに、非接触化やセルフサービスが定着すれば、従業員がチェックイン時に確認するパソコンや大きなデスクは不要になるでしょう。
ただし、ホテルロビーの役割はチェックイン時だけのものとは限りません。ロビーはエントランスから入ったときの趣や雰囲気など、ホテル独自の印象を左右するいわば「ホテルの顔」です。これから日常とは違った空間を体験するゲストにとって、はじめに特別な気分を味わえる場所ともなるのです。
昔ながらの大きなフロントデスクのあるロビーは要らなくなるにしても、デジタルツールで進化した接客を体験できる場所として活用すべきです。
スムーズな接客でゲストに喜んでもらいつつ、ホテルが守り続けてきた趣や雰囲気を提供できる空間としてこれからもロビーは必要です。
アップル社は、Apple Walletでホテルのデジタルチェックインやデジタルキーに対応するサポートをはじめました。この機能はすでにハイアットホテルに採用され、アメリカで提供が開始されています。
スマートフォン1つでチェックインから客室キーの開錠までできるようになり、スムーズな宿泊を体験できると注目されているソリューションです。デジタルキーは客室だけでなく、ジムやプール、エレベーターにも対応。ホテルの複数の施設で非接触を実現しています。
参照元:exciteニュース「ハイアット ホテル、iPhone/Apple Watchの「ウォレット」のキーを使ってホテルの部屋のドアを解錠可能に」(https://www.excite.co.jp/news/article/Macotakara_42146/)
ロビー設置型キオスクとは、自動チェックイン機器です。予約確認やチェックイン機能はもちろん、支払いや領収書発行、ルームキーの発行ができるキオスクも数多く登場しています。
これまでロビー内にキオスク端末を設置するホテルは、早朝忙しいビジネスパーソン向けのシティホテルなど、少数に限られていました。
しかし、コロナ禍以降はセルフサービスが支持されるようになり、多くのホテルがキオスクを設置しています。
チェックインが自動化されたホテルでは、フロントデスクの役割の変化も起こってきています。自動チェックイン手続きに困っている人をサポートする、希望するゲストにアメニティを提供する、ホテル館内の施設情報や観光情報を提供するなど、コンシェルジュ的な役割がメインになっています。
チェックインやチェックアウトが自動化されてスタッフの業務に余裕が生まれると、より丁寧なサービスでゲストを迎えられるというメリットも生まれます。客室のアップグレードや料飲サービスの利用など、スタッフの接客力をアップセルに活かせる場面も出てくるでしょう。
非接触や自動化によって注文に時間や手間がかからないなど、ゲストがどんな場面でもスムーズな体験ができると、サービスを利用する機会も増やせます。レイトチェックアウトのような宿泊オプションなどのニーズも自動で取り込めるようになるため、売上拡大に直結するチャンスも生まれるのです。
また、コンタクトレス化によってサービスに余裕が生まれると、現場のスタッフが追加販売のチャンスにも目を向けられるようになります。接客サービスの向上で顧客満足度が上がるだけでも、リピーターの増加に繋がる可能性もあるでしょう。
慢性的な人員不足が続くホテル業界。さらに人件費も増加の一途をたどっており、非接触やコンタクトレス化による業務の自動化は、労働力を補う上でも問題解決のカギとなります。テクノロジーの導入によって人員に余裕が生まれれば、人材をより付加価値の高い仕事に投入することもできるのです。
組織全体の柔軟さを高めるためにも、テクノロジーを導入する意義は大きいと言えます。
ポストコロナで需要回復が本格化すると予測されるホテル事業。新しい時代に適応し、非接触・コンタクトレス化はもちろん、早い段階で事業全体のデジタル導入を進めた企業が競争力を持つことは目に見えてきています。
これからの宿泊客がどんなサービスに「快適さ」を求めるかを予測し、スピーディーにイノベーションに取り組めるかが生き残る戦略とも言えるでしょう。