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MICEは今後市場規模が増加すると期待されています。MICEとは何か、MICEを開催することでの経済効果、MICEの市場規模や、今後の成長予測、日本におけるMICE開催の問題点や改善策などを見ていきましょう。
MICEとは、Meeting(ミーティング)、Incentive Travel(インセンティブ トラベル)、Convention(コンベンション)、Exhibition / Event(エキシビション / イベント)の頭文字を使った造語のことを指します。これらを包括したビジネスイベントの総称です。
企業が行うセミナーや研修、役員会議、内定式、入社式、周年行事などです。具体的には、投資家向け金融セミナーや、グループ企業の合同研修、企業の役員会など、企業主催の会議やセミナーのことです。
企業が従業員研修などを目的に実施する研修旅行や、代理店や業績アップのための報奨旅行などのことです。
政府、国際機関、自治体、学術団体、企業などが開催する大規模な国際会議のことです。
政府、国際機関、自治体、学術団体、企業などが開催する、展示会、見本市、博覧会などのイベントです。
MICEを開催すると、国内外から多くの参加者が会場・地域に集まるので、会場周辺の交宿泊施設、レストラン、雑貨店などに需要が発生しますので、当該地域における経済効果があると言えます。
MICEの現在の市場規模と、今後予測される成長率について、過去と未来の実成長率を見ていきます。
MICE市場は、世界的に見ても成長している市場です。2019年から2024年までの5年間におけるMICE4分野それぞれの平均年間成長率は、以下の通りになっています。
同じく2019年から2024年までの5年間における市場規模の増加は以下の通りです。
MICE市場における日本の国際競争力は相対的に低下しています。なぜならば、国として⽅針や⾒通しを企業が見通すことができにくいこと、さらに海外の関係者・企業への情報が不⾜しており、日本での国際会議などの開催に不安があるのです。
今後、国としてMICE推進に向けた⽬標の設定や国内外のMICE関係者への情報発信を行っていく予定をしています。また、国、JNTO、⾃治体・コンベンションビューロー、業界等が連携を強化し、会場や宿泊施設、観光の整備に力を入れていくでしょう。
国際会議などが開催されると、国内外から多くの方が開催地域にきます。そのため、周辺地域の宿泊需要は増加。企業によっては、複数部屋を何年も前から予約したり、小規模ホテルの場合、ホテル自体を貸し切りにするなどの可能性もあるでしょう。
地域社会において、MICEは一般的な観光やビジネス利用、一時的なイベント開催などと異なり、規模が大きく滞在期間も長いため、地域社会に与える経済的影響は非常に大きくなっています。会場として、専用の会場を主催者が用意しますが、中小規模のMICEであればホテルの宴会場などで開催することは可能です。会議や展示会が出来る施設を有するホテルであれば、宿泊と合わせ規模の大小を問わずMICEの開催自体も容易になってくるでしょう。
MICE市場は毎年拡大しており、コロナが落ち着いた今国際会議の開催も多くなってくるでしょう。国内での国際会議開催に伴い、国内ホテルへの期待や需要が増加する見通しです。今後、ホテル投資を行う際はMICEの開催が可能なホテルであるかどうかのチェックも判断材料の一つとなり得ます。