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2025年開催予定の大阪万博に向けて、大阪市内ではヒルトン系やマリオット系を始めとした外資系高級ホテルの新規開業が相次いでいます。この動きを受けて市内にある老舗ホテルが生き残りをかけて進められているのが、大規模改装です。インバウンド需要が増大すると予想されており、現存の施設を磨き上げることで顧客の取り込みを目指しています。
大阪市内の各老舗ホテルでは、新規開業するホテルに対抗すべく大規模改装が実施されています。ここでは、各ホテルの改装内容や取り組みについて解説します。
ウェスティンホテル大阪は、開業30周年を迎える2023年6月に約7年ぶりの大規模改装に着手。約15億円の費用を投じて、2024年末までに全300室の客室を段階的にリニューアルします。第一段階として進めているのが「水の都・大阪」をイメージした客室への内装のリニューアルです。
2023年3月31日付で米国の投資ファンドに売却されたリーガロイヤルホテルでは、約135億円を投じて大阪万博前までに大規模改装を行う計画です。客室や一部レストランの装飾やサービス内容を大幅に変更して、客単価を向上させる狙いがあります。インターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)と提携して、海外富裕層への販路拡大を図ります。
開業30周年を迎える2024年を前に、「グランドプリンスホテル大阪ベイ」として2023年7月にリニューアルオープンします。万博前までに客室やロビーの改装も計画中。各種レストランや会議も行える大宴会場の設置・改装も行う予定です。
JR大阪駅北側の再開発地域「うめきた2期」では、ホテルの開業ラッシュが起こっています。米ヒルトンの最上級ホテルや、堂島でカナダの高級ホテル「フォーシーズンズホテル」の新規開業を計画中。今後さらに外資系高級ホテルの新規開業が見込まれており、大阪市内でも高級ホテル激戦区になると予想されています。
2025年大阪万博開催が呼び水となり、大阪市内では外資系高級ホテルブランドが同年までに複数新規開業する見通しが立っています。長年、都市の規模に対して高級ホテルが少ないと言われていた大阪で、2023年から高級ホテルの建設が一気にスタート。海外から万博を訪れる富裕層や各国の関係者など宿泊需要を取り込む狙いですが、他の高級ホテルとの差別化が大切になってきます。各ホテルが、オリジナリティやサービスを充実させることで競争が激化し、大阪市内における高級ホテルの価値がさらに高まるでしょう。