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地震や洪水などの災害が年々増加傾向にあります。中には、家が全壊や半壊したなどの理由により自宅を離れることを余儀なくされた方々もいます。
被災した方々は一定期間仮設住宅へ入居することになりますが、被災地に建てられる仮設住宅の建設費用が膨らんでいる現状があります。
このページでは、一般的な仮設住宅の工法であるプレハブと、近年注目を集めているレスキューホテル(コンテナホテル)について、建設費用の面から違いを見ていきます。
それぞれ建設工程や使用する材料などに違いがあり、1戸ごとの建設費用は異なります。
ここでは、プレハブの建築費用とレスキューホテル(コンテナホテル)の建設費用をそれぞれ紹介して比較します。
被災地に設置する標準29.7m²ほどの広さの一般的なプレハブの建築費用は、1戸あたり240万1千円以内と災害救助法に規定されています。
しかしながら、プレハブの建築費用は膨らみがちで、最終的には1戸あたり600万円前後になるケースもあり、予算が組みにくいこともあります。
具体的には、土地の造成費や断熱材、水道管や電気の敷設、浄化槽や受水槽の設置に加えて、窓ガラスの二重化やトイレの暖房便座の設置、バリアフリーの拡充などに、追加の費用が発生します。
地域によっては防寒用の断熱材や二重扉、積雪に備えた補強などが必要になるため、さらなる建築費用が発生する場合があります。入居期間の延長による物置や風呂の追い焚き機能の設置で追加費用が発生するケースもあります。
【参考サイト】
内閣府防災情報のページ:応急仮設住宅の概要[PDF]
レスキューホテル(コンテナホテル)には様々なタイプがあり、その大きさによって建築費用は異なります。一般的には、14m²(9畳)ほどのコンテナホテルを建築する場合、300万円程度の費用がかかります。
ここにガスや水道、電気などの設備費用を加算すると、500万円前後がレスキューホテル(コンテナホテル)1戸にかかる建築費用と言えるでしょう。
プレハブの場合、費用が追加されるのはいわばオプション設備によるところが大きいのに比べ、コンテナホテルはライフラインの確保のための費用がプラスされる点が大きく違う点と言えそうです。
初期費用に関しては、レスキューホテル(コンテナホテル)よりもプレハブの方が安く抑えることができます。
いわゆる上物だけでみるとプレハブに分がありますが、被災地の状況によってはコンテナホテルの方が費用をおさえられます。
さらに、仮設住宅の役目を終えたプレハブは、撤去費用にも100万円前後かかります。
レスキューホテル(コンテナホテル)はプレハブと異なり、建設後に移動させることが可能です。そのため、被災者用として建てたレスキューホテルを、コンテナホテルとして再利用できるのです。
最終的にはプレハブよりも安価で効率的に設置できることから、仮設住宅の設置の際にはレスキューホテル(コンテナホテル)を検討することをおすすめします。