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ここでは、フェーズフリーの認証基準や認証商品・サービスの具体例、宿泊事業として初めてフェーズフリーに認証されたレスキューホテルの概要などについてご紹介します。
フェーズフリーとは、「日常時」というフェーズと「非常時」というフェーズがフリー(無い)の状態のこと。その状態を満たした商品・サービスは、「フェーズフリー認証」という資格の一種が与えられます。
フェーズフリーとして認証された商品やサービスは、フェーズフリー認証マークと呼ばれるマークを付けることが許可されます。フェーズ(Phase)の頭文字Pを囲むように、ひとつなぎの赤い円環でデザインされたマークが、フェーズフリー認証マークです。平常時と非常時の境目がないことを表現するため、赤い円環のデザインが採用されました。
フェーズフリー認証マークは、一般社団法人フェーズフリー協会の審査を通過した商品・サービスのみが使用することができます。権威あるマークとなるため、協会が定めた厳格なガイドラインのもとで使用することとなります。
フェーズフリー認証マークの審査は、フェーズフリー協会が定めた基準および認証委員会により、以下の5つの原則に基づいて行われます。
フェーズフリーの認証単位は「ブランド・型番ごと」となります。よって審査も、原則として「ブランド・型番ごと」で行われます。 ただし、使用・利用のシーンにおいて対象商品や対象サービスが持つフェーズフリー性が一致すると認められた場合、その範囲内において一括での審査が可能です。
代表的なフェーズフリー認証商品・認証サービスを見てみましょう。 なお、以下は認証を受けた商品・サービスの一部のみのご紹介となりますが、ご覧いただいて分かる通り、明治やアスクル、パナソニックなどの大手企業の高品質商品も少なくありません。申請すれば容易に認証を受けられる、というわけではないことが分かるでしょう。
粉ミルクをお湯で溶かしたり人肌まで下げたりする必要なく、常温のまま与えることができる赤ちゃん用のミルク。専用アタッチメント(哺乳瓶用乳首)には、商品の缶と哺乳瓶(ビジョン/母乳実感)との互換性があります。
鳴門市のランドマークの一つとして建設された、スポーツ・文化・コミュニティの複合エリア。スケートボードパークやボルダリングウォール、キッズスペース、イベントステージ、図書スペースなどを備えています。地震、津波、洪水、台風、竜巻などにも対応。
側面に広い開口部分がある折りたたみコンテナ。複数のコンテナを積み重ねても、側面の開口部分を開ければ中身を取り出すことができます。災害などによる劣悪な環境の中でも錆びないよう、素材はオールプラスチック。
充電池への充電機能、モバイルバッテリー機能、LEDライト機能の三役を搭載した急速充電器。モバイルバッテリー機能とは別で、通常の単三乾電池(充電用を含む)を装着することでスマホ等に充電することもできます。
トラックのシャーシ部分にコンテナを載せたトレーラー型の宿泊施設。コンテナの内部には、机・テレビ・冷蔵庫・電子レンジ・エアコン・ベッドなど、ビジネスホテルとしての一通りの設備が備えられています。緊急時には仮設避難所として利用する前提です。
上でも簡単に触れていますが、トランクルーム事業などを手がける株式会社デベロップは、トレーラー型のユニークなホテル「レスキューホテル/HOTEL R9 The Yard」を運営しています。宿泊事業として、初めてフェーズフリー認証を取得した事例です。
普段はコンテナ式のビジネスホテルとして活用されるレスキューホテルですが、地震などの緊急時にはトレーラーごと被災地に赴き、被災者用の住居としての活用が可能。一般的なホテルとは異なり、不動産ではなく動産のため、運搬可能なルートと設置可能な土地さえあれば、狭小地であろうと変形地であろうと設置が可能です。
土地活用をお考えの方の中には、面積や形状、立地などの理由で活用しにくい土地をお持ちの方もいることでしょう。そのような土地であっても、レスキューホテルなら活用が可能かもしれません。 一般的な土地活用に比べ、初期費用も大幅に抑えられるレスキューホテル。土地活用法の選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。