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仮設住宅での生活が住民に与える心理的影響は思いの外大きく、知らず知らずのうちに心理的ストレスとなり心身に影響を及ぼしています。
多くの場合、災害が原因でこれまで通り自宅に住むことができなくなった方が仮設住宅での生活を余儀なくされます。今までとは異なる生活空間での生活に慣れることができず、徐々にストレスをためる方が増えているのです。
仮設住宅での生活が心理的なストレスにつながる理由の一つとして、プライベート空間の欠如があげられます。
例えばこれまで庭付きの一軒家に住んでいた5人家族が、震災により家が損壊して仮設住宅に引っ越しを行うことになりました。
それまで3人の子供達はそれぞれ自分の部屋がありましたが、仮設住宅は2Kのため自分の部屋を持つことができず、3人の兄弟は同じ部屋で過ごすことになったのです。
3兄弟は高校生、中学生、小学生とそれぞれ多感な時期であり、長男は大学受験が控えていたことから家の中には緊張感が漂い、3人の子供達は徐々にストレスを蓄積させてしまいます。
やがて中学生の次男が精神的な不調を訴えるようになります。夜中にうなされてぐっすりと眠ることができず、睡眠不足が日常生活に影響するようになるのです。
さらに小学生の長女は風邪などひいてないにも関わらず、頻繁に咳をするようになります。気持ちにムラが出始め、情緒不安定な状態が目立つようになるのです。
被災地における仮設住宅では、多くの家庭が普段の生活において上記のケースに似たようなストレスを抱えています。
このようなストレスに対応するためには、主に以下の2つの視点からのアプローチが有効だと言われています。
以下、それぞれの内容を解説します。
仮設住宅での長い生活では、知らず知らずの間に身体に大きなストレスを抱えています。体をマッサージしたりアロマオイルを焚いたりして、精神的にリラックスできる環境を用意しています。
ストレスの原因は多様ですが、仮設住宅では空間が狭く閉塞感があることがストレスの原因になっているケースが見受けられます。これらの対策として、個々の家族構成や身体能力に応じて適切な間取りの仮設住宅を建設するなど、ストレスの原因に応じた対応を行っています。
長い仮設住宅での生活を通し、多くの方は様々なストレスと戦っています。地域の人々や自治体、学校などが密に連携を取り、これらの問題に対処する必要があるでしょう。