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ADR・OCC・RevPARとは

ADR(客室平均単価)とは?

ADRとは、Average Daily Rateの略で日本語では『客室平均単価』のことを指します。

ホテルによっては部屋のグレードによって料金設定が異なったり、自社公式サイトと外部予約サイトによっても部屋の料金が異なる場合があります。しかしADRは、その日販売された客室1室あたりの平均単価のことであり、部屋のグレードによる料金設定の違いやサイトごとの販売価格に関係なくホテル全体の売上から1室あたりの平均単価を算出します。

ADRの相場は、駅前や都会・地方など周辺状況やシティホテル・ビジネスホテルなどホテル自体の種類・ランクによって決まります。

ADRを確認するべき理由

ADRはホテル全体の収益をダイレクトに反映する為、ADR値が高いほど投資対象として魅力的であると言えます。また、投資対象ホテルのADRと周辺の競合ホテルのADRを見比べ、それを上回っているか下回っているか確認できるので投資すべき物件であるのかを判断する目安にもなります。

ADRの算出方法

ADRは『ホテル全体の売上の合計金額÷実際に売れた客室数』で表せます。例えば、全体の売り上げが100万円、売れた客室数が100室の場合、100万円÷100室=1万円となり、このホテル1室の平均単価は1万円という事になります。

ホテル運営におけるADRの活用方法

ADRはその周辺地域の相場を直接的に表しています。ADRはホテルがその地域において適切な価格設定であるかどうかの目安になるので、ホテルを新規に開業したり投資対象としてホテルを選択する際に、理想的か否かの判断基準にもなります。

周辺相場を無視して高額な料金設定にしてしまうとお客さんが集まらない、若しくは安価にし過ぎたせいで利益が出ないという状況が起こり得ますので、ADRの確認は必ず行いましょう。

OCC(客室稼働率)とは?

OCCとはOccupancy Ratioの略で、日本語で『客室稼働率』を表します。ホテルがその日に販売している客室のうち、実際に売れた客室の割合を表す数値です。例えば観光地のホテルでは、ゴールデンウィークや夏休みなどのハイシーズンにはOCCが高くなり、オフシーズンでは低くなります。また周辺地域でイベントがある場合もOCCが高くなります。

一般的に、OCCが高くなると予想されるときは客室の販売価格ば高くなり、OCCが低いときには販売価格も低く設定されるので、自分のホテルのOCCはどうなのかデータを取っておく必要があります。

OCCを確認するべき理由

OCCはホテルの全客室に対する売れた客室数の割合を数値化しています。ホテル経営をする場合、収益を上げるために出来るだけOCCを上げる必要があります。しかし稼働率を上げたいばかりに客室の価格を下げてしまっては、ADRが低くなり全体の収益が低下する可能性も。収益を維持しつつ稼働率を上げる為、OCCを意識して客室の価格設定を行う必要があります。

OCCの算出方法

ホテルの稼働率(OCC)は『実際に売れた客室数÷販売できる客室数(ホテル全体の客室数)』で表せます。

例えば全100室あるホテルがその日80室販売したとすると 80室÷100室=0.8 となり、そのホテルのOCCは80%となります。

ホテル運営におけるOCCの活用方法

OCCのデータを確認しつつ、料金設定をどうするか、どのようなプランを設定するか考える必要があります。ただしホテルの種類によって異なる利用客層を意識することが大切です。例えば、観光地にあるリゾートホテルや旅館であるなら行楽シーズンやイベント時には稼働率が軒並み上がるので、客室の価格設定も上げて増収を目指します。

ビジネスホテルの場合は、平日利用するビジネスマン向けのプランの設定や稼働率が下がる休日の客室価格を下げるなどのOCCを参考にした計画を立てる必要があるでしょう。

RevPARとは?

RevPARというのは、『販売できるすべての客室』の平均単価のことです。同じ客室の平均単価でも、ADRは「実際に売れた客室」の平均単価であるのに対し、RevPARでは「売れなかった客室も含めたホテル全体の客室数」での平均単価を計算します。ちなみにADRを上げようとすると価格設定を上げるとOCCは下がり、反対にOCCを上げようとし価格設定を下げるとADRは下がります。

客室の価格設定を考える際、ADRとOCCは反比例の関係になってしまいます。ホテルの経営状態や収益を正しく把握するには、ADRやOCCと共にRevPAR を活用しホテル全体の状況を確認することが必須であると言えます。

RevPARの算出方法

RevPARは『販売できるすべての客室(全客室数)』の平均単価です。計算方法は2通りあり、『ホテル全体の売上÷販売できるすべての客室』もしくは『ADR(客室平均単価)×OCC(ホテルの稼働率)』のどちらかを使用します。

例えば、全100室のホテルで、売り上げが80万円、稼働率80%の場合、『ホテル全体の売上÷販売できるすべての客室』80万円÷100室=8000円『ADR(客室平均単価)×OCC(ホテルの稼働率)』1万円×0.8=8000円となります。

ホテル運営におけるRevPARの活用方法

ADRは売れた部屋がどのくらいだったのかを測る数値であり、空室を含めたホテル全体の収益数値ではありません。そこで、空室も含めたホテル全体の収益数値を測るのがRevPARです。ホテル経営において最も大切な事は稼働率を100%に近づける事です。そして、全客室が売れる可能性のある最大価格を設定することが大切です。RevPARは全客室が売れた場合の最大価格を表示しているので、設定価格をいくらにすべきかを知る一つの指標となります。

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