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※本記事は、「ダイヤモンド・オンライン(https://diamond.jp/articles/-/309084)の内容を参考に作成しています。
ビジネスホテルと聞くと、シンプルな内装や簡素なサービスをイメージする人も多いでしょう。ただ、ビジネスホテルが変化を見せており、サウナや温泉、豪華な朝食など、さまざまなサービスを提供している施設が増えています。豪華なビジネスホテルが増加している背景や今後の動向についてまとめました。
ビジネスホテルとは、宿泊に特化した宿泊施設のことを指します。出張で使われることを前提に作られているのでサービスやアメニティが最小限に抑えられており、宿泊料がリーズナブルなところが多いのも特徴です。
宿泊以外のサービスも提供している宿泊施設はシティホテルと呼ばれ、宴会や結婚式などができる大きなホテルというとイメージしやすいでしょう。シティホテルはさまざまな目的での利用客を想定しているため、レストランやバー、温泉、エステなどサービスや設備が充実している傾向にあります。
多くのビジネスホテルは、客室とレストランのみといった宿泊に重点を置いたつくりになっているのが一般的です。一方で、最近ではスイートルームやプールがあったり、豪華な朝食を提供したりなど、プラスアルファのサービスや設備で付加価値を持たせているビジネスホテルも登場しています。
ビジネスホテルの枠を超えた豪華なビジネスホテルが増えている背景や今後について、ホテル評論家の瀧澤信秋氏の見解をまとめました。
ホテル評論家の瀧澤信秋氏が言うには、ビジネスホテルが付加価値を高めるようになったのは差別化競争の激化にあるとのこと。2015~2017年のインバウンド激増の特需を享受しようと、相次ぐ建設ラッシュでビジネスホテルの数が増加。けれど、2018年頃にはホテルの供給過多により、部屋が余り始めるように。ホテル側には宿泊客を呼び込むための他社との差別化が求められ、その競争の激化の結果が豪華なビジネスホテルが増えている現在につながっています。
付加価値を高めるためにホテルが行なった例としては、朝食を豪華にしたり、天然温泉の大浴場やサウナを設置したりなど。大浴場やサウナについては差別化競争がさらにニッチになり、サウナの水風呂の温度までもが差別化の対象になりつつあるとのこと。
生き残りをかけてさまざまな差別化が行なわれている一方で、今後は差別化競争から離脱するホテルも出てくると瀧澤信秋氏は推測しています。仕入れや運営などのノウハウが少ない新興ホテルや新規参入組のなかには、豪華な朝食をやめようという声も出ているとのこと。また、生き残ったホテルの間でもサービスの格差がさらに進むと見られ、今後どのようなサービスを打ち出してくるのかは注目したいポイントです。