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タイのホテル大手が見せる積極的投資とその背景

※本記事は、「日本経済新聞」(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGS020FW0S2A500C2000000/)の内容を参考に作成しています。

いまだ厳しい状況が続いているホテル業界において、タイでは積極的にホテル投資を行なっています。タイのホテル大手が積極的投資に動く背景や事業立て直しに必要な課題をまとめました。

タイでホテル事業に約760億円を投資…日本へも進出

アジアの観光大国であるタイのホテル大手数社が、ホテルへの強気な大型投資の姿勢を見せています。タイの小売り大手として知られるセントラルグループは、同社が展開するホテル事業に対して2026年までに日本円で約760億円もの資金を投じる計画を発表。運営規模を約90軒から200軒にまで増やすとしており、日本にも同社のホテルブランドが大阪市で2023年に開業する予定です。

セントラルグループの大型投資は、将来的な観光需要の回復を見込んだ布石という位置づけとのこと。同社傘下が運営を手掛けるセントラル・プラザ・ホテルの2021年の売上高は2019年の半分程度にまで落ち込んでいますが、セントラルグループのCEOによれば「今後5年で大きく成長する」と強気な姿勢は崩しません。

複数のホテル大手が積極的投資に動く背景

セントラルグループのほかにも、タイのホテル大手アセット・ワールドが4月にチェンマイで高級ホテルを開業。さらに、165億パーツ規模の投資基金も設定し、国内外の投資家から投資を募っています。また、同じくホテル大手のマイナー・インターナショナルも2022年にホテル事業に64億パーツを投資。マイナー・インターナショナルでは50を超える国・地域でホテルを展開していますが、2021年12月期まで2期連続で最終赤字と厳しい状況が続いています。

タイの複数のホテル大手が積極的投資に動く背景としては、各国で移動規制が相次いで緩和されているため。タイでは移動規制の緩和にいち早く取り組んでおり、2022年1~3月の欧州着の国際旅客数は前年同期の4.5倍、アジア太平洋着は予約数が3.75倍と急増。ただし、2022年の外国人観光客数は2019年の1割弱となる約300万人に留まると予想されており、ホテルの稼働率も2019年の頃の水準に戻るのはまだまだ道のりが遠そうです。

ホテル事業の立て直しのカギを握るのは働き手の確保

観光産業が回復の兆しを見せているなか、タイでは人材不足が課題となっています。働き手の確保が難しい理由としては、宿泊・飲食業の平均月収が全体平均よりも約2割安く、それでいて長時間労働になってしまうため。また、情勢の変化で観光業への安心感が薄れてしまったのも、離れた人材が戻らない原因になっています。

多くの産業で人材獲得の競争が見られており、離れた人材が別の業種に取られてしまう可能性は想像に難くありません。働き手を確保してホテル事業の立て直しを目指すのであれば、企業は給与はもちろん、福利厚生など手厚い条件を用意するといった対応が今後ますます求められそうです。

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