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ホテル投資の回収期間について

ここでは、ホテル投資のリスクを軽減するためにも知っておきたい回収期間について解説します。

ホテル投資の回収期間とは?

投資における回収期間とは、事業に対して投入した資金をどれくらいの期間で回収できるかを示す指標です。回収期間が長くなるほど投資リスクが高まるとされているため、リスクを軽減するためにも回収期間を把握して資金繰りの見通しを立てる必要があります。また、投資するかを判断する際は、回収期間のほかに、利益率や市場環境などを考慮することも重要です。

投資の回収期間は以下の式で計算できます。

たとえばホテルを10億円の資金で購入して年間の純利益を4,000万円とする場合、上記の計算式でシンプルに算出すると投資の回収には25年以上かかる見込みです。

ホテルの種類別にみる回収期間の目安

日本におけるホテル投資の回収期間は、一般的に20年程度と言われています。ホテル投資の回収期間には稼働率が大きく影響しますが、ホテルの種類によって考えるべき稼働率の課題が異なります。

たとえば都市部にあるシティホテルは、その利便性の高さからビジネスや観光の拠点として利用されていますが、シーズンやイベントによる需要変動で稼働率が安定しないのが難点です。ビジネスホテルは、出張客をはじめとするビジネス需要に依存しているため、週末や連休になると稼働率が低下しやすい傾向にあります。

観光客を主なターゲットにしているリゾートホテルの場合は、季節ごとに需要が変動し、オフシーズンになると稼働率が大幅に低下するのが課題です。

回収にどのぐらいの期間がかかるのかについては、こういったホテルの種類による稼働率の課題も考慮したうえで、シミュレーションを行う必要があります。

ホテル投資の収益モデルと回収期間への影響

ホテルビジネスの利益構造は、「宿泊部門」「飲食・レストラン部門」「宴会・イベント部門」の3つに分けて考えるのが基本です。

宿泊部門

投入した資金を早く回収するには、利益率を上げる必要があります。宿泊部門は多くのホテルにおいて収益の大半を占めることから、回収期間を考えるうえで特に重要な部門です。宿泊部門の利益率は60%以上あるのが理想で、利益率を上げるには人件費や消耗品にかかる費用をいかに抑えるかがポイントになってきます。また、客室料金の値上げや稼働率の向上など収入の増加につながる対策の検討も必要です。

飲食・レストラン部門

ホテルの利益率を上げるには、レストランやカフェなどの飲食店の収益も重要です。飲食・レストラン部門の利益率の目安は20%ですが、人件費や食材などの経費はサービスの品質につながるので簡単にはカットできません。飲食・レストラン部門の利益率を上げるには、経費の削減ではなく、提供価格の見直しや食材の廃棄率の減少、宿泊客以外の利用促進などを検討する必要があります。

宴会・イベント部門

宴会・イベント部門は、団体客の利用によって一度に大きな収益を得られる部門です。利益率の目安は50%程度とされていますが、収益の大半を占めているホテルもあります。予約によって参加人数やスケジュールを事前に調整できるため、人件費や食材などの経費を管理しやすいのが特徴。宴会・イベント部門の利益率を上げるには、競合ホテルとの差別化を図って集客力を高めることが重要です。

立地と回収期間の関係

宿泊客がホテルを選ぶうえで立地は重要な要素となるため、立地条件によって稼働率が大きく変わってきます。駅や空港からのアクセスが良いか、高速道路のインターから近いか、幹線道路や主要な大通りに面しているかなどが集客に影響します。ただし、これらの好立地な場所は競合ホテルも多く存在するため、いかに差別化を図るかが重要です。

また、大規模なイベントの開催会場に近い場合、イベントの開催期間中は稼働率が急激に上昇しますが、それ以外の期間は閑散としているところも少なくありません。そういった立地条件の場合は、需要の変動に合わせて適切な料金設定やプロモーション活動を行うなど、状況に応じた戦略が求められます。

ホテル投資の回収期間を短縮する方法

投資回収のシミュレーションを行う

ホテル投資の回収期間は、投資総額と年間予測収益から算出できますが、実際の回収期間は空室期間や修繕費などによって変動します。現実的な回収期間を把握するには、これらの変動要素を考慮したうえで収益シミュレーションを行う必要があります。収益シミュレーションをただ行うだけでなく、シミュレーション結果を適切な投資判断に生かすことが重要です。

たとえば、需要変動によって稼働率の低下が予測されるのであれば、適切な価格設定やプロモーションで事前に対策を行うことで、回収期間を短縮できる可能性があります。

投資回収計画書を作成する

ホテル投資の収益性や資金繰りの見通しを明確にするためにも、投資回収計画書を作成しましょう。投資回収計画書には、初期投資額や予想キャッシュフロー、投資回収期間、損益分岐点などを具体的に記載します。投資回収計画書で進捗を定期的に確認し、必要に応じて修正を行うことで、ホテル経営の軌道修正やリスク管理がしやすくなります。

キャッシュフローの管理を徹底する

キャッシュフローの管理を徹底することで、収入と支出を詳細に把握でき、資金不足に陥るリスクを回避できます。また、資金調達の方法として補助金や助成金を活用すれば、資金負担の軽減につながり、回収期間の短縮を図ることが可能。キャッシュフローに問題がないかを定期的に見直しながら、早めに対策を講じることが重要です。

ホテル投資のリスクと回収期間の長期化を防ぐ方法

ホテル投資に伴う主なリスクは「稼働率への依存」「初期投資の負担が大きい」「専門的な経営スキルが求められる」の3つです。

稼働率への依存

ホテルの収益性は客室の稼働率に大きく依存するため、稼働率が低下すると回収期間が長期化する恐れがあります。稼働率が低下する要因は、主に「立地条件」「季節変動」「競合施設の増加」の3つ。稼働率を安定させる対策としては、マーケティング戦略の強化や繁忙期・閑散期に応じた料金設定、施設のリニューアルなどが考えられるでしょう。

初期投資の負担が大きい

ホテル投資をはじめるには、物件購入費や改装費といった多額の資金が必要です。初期投資の負担の大きさも回収期間の長期化につながる要因となります。初期投資の負担を軽減するには事前にしっかりとした資金計画を立て、銀行ローンや補助金の活用を検討しましょう。また、市場調査を入念に行い、収益が見込めるエリアを選定することも重要です。

専門的な経営スキルが求められる

ホテル投資を成功させるには、顧客管理や収益管理、マーケティングといった専門的な経営スキルが求められます。ホテル運営の経験やスキルがないまま手を出すのはリスクが高いため、運営会社に委託したり、セミナーや書籍で経営知識を学んだりといった対策が必要です。また、小規模施設への投資から始めて運営経験を積むといった方法もあります。

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