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2024年国内ホテルにおける設備投資

コロナ感染症が落ち着き、インバウンド需要が増加し始めた2024年。国内のホテルでは、独自色を出すために設備投資に踏み切っているところが多くあります。現在の、設備投資の状況と、設備投資が必要な理由などについて解説していきます。

ホテルの設備投資状況

設備投資ができるのは業績好調な証

2024年度に、設備投資の予定や計画がある旅館・ホテルは、82.4%で8割超となっています。全業種の平均よりも23.7ポイント上回る結果です。

ホテル運営企業は、「コロナ禍も終わったため、以前から計画していた高付加価値化の投資を実施予定。政府からの補助金も活用する」といった声があります。各ホテルは、アフターコロナやインバウンド需要の増加を見据えて、このタイミングで設備投資を行い、新規改装や独自色のある設備の新設などを行おうと、計画しているようです。

別のホテル運営企業の担当者からは「ホテルは設備にかかる費用が大きく、好調期でないと投資が難しい」といった声も寄せられています。それだけ、現在のホテル業は好調な業績が続いていると言えそうです。

ホテルの設備投資額は約2億円

なお、旅館・ホテル業の設備投資予定額は、1社平均で1億9454万円となっており、約2億円という高い水準となっています。全体平均である1億2705万円を、6700万円程上回っています。ホテルはその特性上、ロビーなどの共用部、各部屋などのプライベート空間など設備が多種にわたっていますので、どうしても設備投資額が高くなってしまいます。

また、独自色を出すともなると、有名デザイナーに依頼するなどし、さらに費用が増加することになるでしょう。

※参照元:帝国データバンク(https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p240709.pdf

設備投資ができるほど好調な理由

2024年度に設備投資を行う国内ホテルは多数あります。では、なぜこのタイミングで設備投資を行うのかを見ていきたいと思います。

円安もありインバウンドが好調

2024年現在、円安の影響もあり記録的な数のアメリカ人旅行者が日本に来ています

近年まれに見る円安の加速で、対ドル相場は一時、1986年以来の円安水準に落ち込んでいました。新型コロナウイルスのパンデミックが落ち着き、日本への出張需要が回復していたところ、さらにレジャーとしての日本旅行ブームが加わりました。円安は、海外からの旅行者の購買意欲を強くしており、それが日本観光ブームにつながっています。

長年にわたる円高の影響で、日本旅行は高嶺の花とされ、海外からの旅行者は敬遠していました。しかし、現在はそれとはまったくの別世界で、多くの旅行者は円安を利用して日本旅行を行っています。

ホテルの値上げ

ホテルの価格が上がり続ける背景には3つの理由があります。

インバウンド観光客の増加

新型コロナ感染症の水際対策が緩和された2022年10月以降、海外からの旅行者数増が加速しました。国内の各ホテルは、自社の客室稼働率や競合ホテルの価格などを分析して、客室単価を決めています。インバウンド客が増えたことで稼働率が上昇したため、客室単価を高く設定しています。

コストアップ

コロナ禍で多くのホテルは、経営維持のため人員整理を行ないましたが、コロナが落ち着き宿泊客が一気に増加したことで人手不足が深刻となっています。そのため、ホテルは社員の給料増額など待遇改善を進めている状況です。そのほか、水道光熱費の上昇や客室清掃のコスト上昇、レストランでの食材費上昇など、様々な支払い料金が増加傾向にあります。客室の販売価格に、これらのコスト増加分が加算されているのです。

ホテルの経営戦略の変化

以前は、客室稼働率を重視していましたが、現在は客室単価をどれだけ上げるかに重点を置くホテルが増えてきました。ホテルでは、客室1室を販売するごとに客室清掃費用、アメニティ代などが発生します。稼働率は低くても単価が高ければ、売り上げは変わらずコストの抑制ができるため、ホテルの付加価値を付けるところが増えているのです。

まとめ:ホテル運営は回復から成長傾向へ

コロナで落ち込んでいたホテル業界ですが、アフターコロナになってからは円安の影響もあり成長傾向に変わってきています。

日本各地でホテル開業予定も立っており、ホテル業界全体が成長に向けて舵を切っていることが分かります。

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