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自治体で取り組むフェーズフリー

このページでは、日常生活の中に自然と非常時の備えを溶け込ませる「フェーズフリー」の概念と、フェーズフリーにもとづいて全国の自治体が取り組んでいる災害対策の事例などを紹介しますので参考にしてください。

備えない防災「フェーズフリー」とは?

「日常」と「非常時」の融合

「フェーズフリー」とは、普段の暮らしを送る「日常」や、地震や津波などの災害が発生した「非常時」といった、「フェーズ:段階/局面」による区別を解消し、非常時の備えを日常生活の中に溶け込ませることで平時から緊急時の備えを行っておくという考え方です。

何かのトラブルなど特別な場合に備えるのでなく、日常の中で活用できるものをシームレスに災害発生時にも利用できるように取り組むことが特徴です。

備蓄から活用への転換

災害発生時に使用する設備や機器、緊急時の食料といったものは、緊急事態が発生するまで「備蓄」されており、問題が起きて初めて取り出されるという流れが少なくありません。しかし、それでは備蓄用スペースが必要になったり、迅速な対応が必要な場面で遅れが生じたりとリスクを是正できないことが課題でした。

フェーズフリーは日常生活で当たり前に使用するものが、そのまま災害時にも活用できるという点が重要です。

自治体によるフェーズフリーの取り組み

北海道小清水町の新庁舎「ワタシノ」

北海道小清水町では行政機関である役場としての機能に加えて、地域住民が普段から交流の場として活用できるコミュニティ施設や、非常時の防災拠点として機能する災害対策施設といった機能を統合的に備えた防災拠点型複合庁舎「ワタシノ」を設置しています。

建物は鉄筋コンクリート造、地下1階・地上2階の構造になっており、役場としての行政施設の機能を搭載しながら、コインランドリーやフィットネスジム、カフェといった様々な商業施設機能も備えることで、普段から地域住民が自然と訪れて利用できるようなコンセプトが設定されました。また、災害時にはジムが避難スペースとして活用されるだけでなく、ランドリーで衛生環境を保持し、カフェでは炊き出しが行われるといった非常時の活用法も想定されています。

今治市クリーンセンター「バリクリーン」

愛媛県今治市にある「今治市クリーンセンター(通称:バリクリーン)」は、平時は地域のゴミなどを処分するゴミ処理施設として機能しながら、非常時には指定避難所として地域の人々が安心して過ごせるような設備機能を備えていることが特徴です。

廃棄物を安心安全かつ安定的に処理できるよう、強靱な建物構造を備えているバリクリーンは災害発生時にも危険を回避できる場所として価値を発揮しながら、様々な廃棄物を燃やしたエネルギーで電力を発電し、避難所への電力供給もまかなえることが重要です。加えて、普段は地球環境やサステナブルな社会の実現を踏まえた学習施設としても活用することが可能となっており、日頃から地域の人々が通って慣れ親しめるように考えられている点も見逃せません。

豊島区「IKEBUS」

東京都豊島区では2019年11月27日から、フェーズフリーのコンセプトを体現する公共交通機関として、電力で走行するバス「IKEBUS」の運行がスタートしています。

IKEBUSは著名なインダストリアルデザイナーである水戸岡鋭治氏がデザインした、可愛らしく個性的な外観を備えており、地域のシンボルとして愛されていることもポイントです。さらにオリジナルグッズや様々なイベント企画などを実施するなど、日常生活の足としてだけでなく多くの人にとって身近な存在になるよう運用されています。

また災害発生時にはIKEBUSが移動式電源としても力を発揮し、様々な機器への電力供給や非常用照明の電源などに活用されます。

茨城県牛久市「フェーズフリーホテル」

茨城県牛久市において、2026年3月からコンテナホテル「HOTEL R9 The Yard 牛久」が開業されました。同ホテルは建築用コンテナモジュールを活用した宿泊施設として様々な利用者の滞在ニーズへ応えられる一方、非常時にはレスキューホテルとして防災拠点の役割も担えるなど、フェーズフリーホテルとして設置されていることがポイントです。

38室のダブルルームや6室のツインルームなど、合計44室の居室を備えており、平時はホテル事業としての採算性も高めながら、非常時には避難者が安心して過ごせる独立型スペースを提供することで、地域の安全にも貢献しています。また牛久市内の工業団地や物流拠点へのアクセス性にも優れており、ビジネスパーソンのニーズにも配慮しています。

「持て余している公有地」こそフェーズフリーに最適

日本は地震大国としても知られるほど自然災害の多い国であり、将来的にも南海トラフ地震のリスクが懸念されるなど、突発的に発生する災害に対して迅速かつ持続可能な対策を求められている点が重要です。

そのため全国の自治体では、公有地でありながら活用法がなく放置されている土地などを使って、平時は地域コミュニティのニーズに応えながら、非常時には防災公園や防災拠点として活躍できるフェーズフリーの施設を設置する取り組みが進められています。

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