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中国人富裕層が日本の温泉旅館への投資を検討

温泉地・熱海の旅館跡地が中国富裕層に関心を集める

静岡県熱海市には、全国の新婚カップルから新婚旅行先としてあこがれを集めた温泉旅館があります。つるや旅館です。つるや旅館は、1934年に開業し吉田茂元首相をはじめ多くの政治家や経営者など、政財界の大物も愛した旅館です。2001年に老朽化により閉館、その後は廃虚となり熱海衰退のシンボルとも呼ばれました。

このつるや旅館跡地を、香港のグローリー・チャンピオン・エンタープライズ・リミテッドが2017年に買収し、約250億円かけて全面改修し高級温泉ホテル「熱海パールスターホテル」リニューアルオープンしました。全87室に温泉風呂とバトラー(執事)がいます。このホテルは宿泊と飲食を分離して考えられており、飲食は地元の飲食店を利用してもらうなど、地域の活性化にも寄与しています。

このホテルの成功により、中国人富裕層から日本の温泉旅館跡を買収・回収リニューアルオープンすることが注目されており、特に香港の資本家からの問い合わせや買収などが増加しています。

中国富裕層が日本の不動産に注目する理由

中国人富裕層が日本の不動産に注目する理由は主に2つあります。

まず1つ目は、中国共産党の国内経済に対する厳格な規制が挙げられます。共産党は、中国国内の富裕層の財産等を監視するために厳しい監視体制を敷いています。そのため、富裕層は国外に資金を回してリスクの分散を考えています。その一環として、日本の不動産への投資が積極的に行われています。

2つ目は、日本国内での在留資格取得のためです。在留資格には「経営管理ビザ」や「高度専門職ビザ」などがあり、日本国内で企業経営を行うものに対して発給されるものがあります。これらのビザ取得のためには、継続的に安定した事業を行うことが条件であるため、旅館の買収と経営をセットで考えている中国人も多く、移住を考えている人が経営管理ビザを取得したり今後取得予定の人からの相談が増えています。現在、2021年時点で経営管理ビザを取得している外国人の約半数は、中国籍の人が占めています。

熱海のこれまでと今後の期待

熱海市は、日本国内でも有数の温泉地として知られており、最盛期の宿泊客数は1969年度の532万人にです。しかし、それ以降宿泊客数は減少し、2011年度には約250万人と最盛期の半数以下になってしまいました。観光客の減少が続き、廃業を余儀なくされる旅館や老舗も多く、一時はゴーストタウンとも揶揄されました。しかし、熱海市は高齢層の団体旅行を想定したこれまでのプロモーションから、個人客向けのプロモーションに切り替えたことで、2018年度の宿泊客数は309万人まで回復しました。

香港のグローリー・チャンピオン・エンタープライズ・リミテッドが買収・リニューアルオープンさせた高級温泉ホテル「熱海パールスターホテル」は、「泊食分離」形式を採用しており、地元の飲食店を利用するよう宿泊客に促しています。これにより、地元の農漁業者や飲食店への恩恵が増えるとともに、地元での雇用が増大し働き手不足の解消にも寄与しています。熱海市には、中国人富裕層や企業からの廃旅館買収の話が多数あるため、今後も中国資本を取り入れた高級ホテルの開業などが相次ぐ可能性があります。

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