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自治体が備えるべき「2次避難」の対策

災害で自宅に戻れなくなった被災者が、初期の避難所からホテルや旅館など環境の整った施設へ移る「二次避難」の重要性が高まっています。二次避難の定義や実例を整理しながら、自治体が備えるべき2次避難の対策を解説します。

二次避難(2次避難)とは

1次避難・1.5次避難・2次避難の違い

一次避難(1次避難)は、発災直後に近隣の学校や公民館など指定避難所へ身を寄せる段階。二次避難(2次避難)は、被災地から離れた安全な地域のホテル・旅館などへ移り、一定期間生活する段階を指します。

令和6年能登半島地震では、その中間にあたる「1.5次避難所」が設けられました。石川県が令和6年1月8日に石川総合スポーツセンターに開設し、介護が必要な方などが二次避難先へ移るまで滞在する集約拠点として運用しました。

なぜ二次避難が必要か(避難所環境と災害関連死)

体育館などの一次避難所は、プライバシーや空調・衛生環境の確保が難しく、生活が長期化するほど心身への負担が積み重なります。能登半島地震では令和8年8月14日時点で災害関連死が522人にのぼり、死者750人の約7割を占めました。石川県の審査会資料(第37回審査会まで・449人分)でも、死亡に至った経緯として「避難所等生活の肉体的・精神的負担」が16.0%の事例で挙げられています。

避難所の環境が命に直結するからこそ、環境の整った宿泊施設へ早期に移る二次避難が対策として求められています。

二次避難先として活用される施設

ホテル・旅館

二次避難先の中心はホテル・旅館です。個室・空調・入浴設備がそろい、生活環境を短期間で改善できます。能登半島地震では金沢市以南のホテル・旅館・民泊が受け入れ先となり、滞在費は無料、り災証明書がなくても利用できる仕組みが取られました。繁忙期は客室確保が難しく、被災地から距離が生じる点は前提となります。

公営住宅・公的研修施設

公営住宅の空き室や、自治体・企業が保有する研修施設・保養所も受け入れ先になります。まとまった世帯数を受け入れやすい一方、すぐ入居できる状態か、生活用品がそろうかは施設ごとに差があります。

コンテナホテル(レスキューホテル)

近年の選択肢が、平時はビジネスホテルとして営業し、災害時には客室ユニットごと被災地へ移動できる「コンテナホテル(レスキューホテル)」です。株式会社デベロップのレスキューホテルは13㎡のコンテナ1台が1客室で、ユニットバスやベッドを備えた状態で設置できます。令和8年9月時点で全国141拠点・5,615客室を配備し、201件の災害協定を締結。北海道と離島を除き「24時間以内の出動」を目標に掲げています。

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実際の事例に見る二次避難対策

令和6年能登半島地震(1.5次避難所→ホテル・旅館等へ)

石川県は令和6年1月8日に1.5次避難所を、翌9日に二次避難の受付窓口を開設しました。内閣府の資料によると、一次避難所の避難者は1月2日の40,688人がピーク、二次避難所の避難者は2月16日に5,275人へ達しています。内訳は金沢市124施設・1,766人、加賀市34施設・1,853人などで、富山県や福井県の施設も受け皿となりました。

一方、三菱総合研究所は2月20日時点で受入可能数31,128人/日に対し受入は7,613人(利用率24%)にとどまったと指摘。枠を確保しても移動をためらう被災者が多い点が課題です。

令和8年熊本地震における宿泊施設の提供

令和8年(2026年)熊本地震でも、国と熊本県が確保したホテル等へ避難できる「宿泊施設提供事業」が実施されています。宿泊費は原則公費負担、食費や滞在中の移動費は自己負担という運用です。宇城市や美里町など各市町が申込窓口を設け、県は「ホテル等避難コールセンター」を開設。二次避難は標準的な災害対応のひとつになりつつあります。

自治体が平時から取り組むべき二次避難対策

二次避難は、発災後に手配を始めても受け入れ先の確保が追いつきません。能登半島地震でも、確保した受け入れ枠と実際の利用の間には大きな開きがありました。平時のうちに宿泊事業者と災害協定を結び、想定される避難者数に対してどれだけの客室を確保できるのかを把握しておくことが出発点になります。

あわせて、日常的に使われている施設をそのまま非常時にも活かす「フェーズフリー」の発想で受け皿を用意しておくと、維持コストを抱え込まずに備えられます。平時はビジネスホテルとして稼働し、災害時には北海道と離島を除き24時間以内の出動を目標に掲げるコンテナホテル(レスキューホテル)も、平時活用と災害時対応の両立を図る選択肢のひとつといえるでしょう。

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